【歴史的建造物】旧伊藤博文金沢別邸:海が一望できる落ち着いた明治の建築
建物の概要
2022年9月に来訪。旧伊藤博文金沢別邸の概要を3行でまとめると…
- 伊藤博文が明治31年に建てた横浜市・金沢区の別荘建築
- 老朽化により平成19年に創建時の姿に復元した
- 庭園や海など自然に囲まれた美しいロケーション
以下、来訪レポート。
金沢八景駅から歴史ある海沿いの道を歩く
最近は横浜市の金沢区がお気に入りの散策コースになっているので、先日も夫婦で電車に乗り散策にでかけた。
今回の目的地は、平潟湾に隣接する野島公園内にある旧伊藤博文金沢別邸。駅からは少し遠いのだが、散歩がてら金沢八景駅から歩いて向かう。
途中の道で「憲法草創の碑」という立派な碑を発見。もともとこの付近にあった料亭・東屋で伊藤博文を中心に明治憲法が草案されたことを記念して東屋に設置されたが、東屋の廃業にともなってこちらに設置されたとのこと。
なんで横浜の金沢で?と思ったのだが、調べたところ明治時代、富岡などの金沢近辺は東京近郊の海浜別荘地として注目されていたとのことで、当時の著名人も集っていたようだ。
野島公園に続く道は平潟湾に沿っているが、この日は快晴で海も綺麗。釣り船屋もたくさんあり、休日ということもあって釣り人でにぎわっていた。
旧伊藤博文金沢別邸で明治の生活に思いをはせる
しばらく歩いて旧伊藤博文金沢別邸に到着。
素朴な雰囲気で、茅葺の屋根が印象的。入館料は無料で、現在はコロナ対策で入り口で手の消毒と、検温が必要。
入り口には建物の説明もあり。こちらの建物は平成18年に横浜指定有形文化財に指定されたが、建物の老朽化が進んだため平成19年に解体し、現存しない部分も含めて創建時の姿に復元したとのこと。
平面図を見ると思ったより広い。天井は低めだが、部屋が多いので窮屈には感じない。障子や木の天井などどこか懐かしい雰囲気で、お婆ちゃんの家に来たような気持ちになった(?)
室内には台所や風呂、トイレなどもあるが、明治の生活(と言っても上流階級だとは思うが)がうかがえてなかなか面白い。台所のお水は井戸からポンプで汲み上げていたようだ。
こちらはトイレ。当時も川岸では水洗式もあったようだが、こちらのお家は汲取式だったとのこと。なんだか便器が小さい気がして色々不安になったが、昔の人はお尻が小さかったのだろう(適当)
お風呂もなかなか立派なつくり。伊藤博文もお風呂に浸かりながら「はぁ~憲法どうすっかな~」と頭を悩ませたのかもしれない。
こちらは伊藤博文に影響を与えた人々の説明。明治天皇、吉田松陰、高杉晋作など歴史のキーパーソンがずらりと並ぶ。さすがは初代総理大臣。
こちらは宴会風にセッティングされた客間。ここで明治の偉人達が歴史を動かす会話をしてたのだろうか…と思うとロマンがある。
海と庭園で自然を感じる別邸
邸内の窓からは海も一望できる抜群のロケーション。
また、牡丹(ボタン)園も隣接しているので、建物の縁側からも眺めることができるし、園内を歩くこともできる。牡丹の季節ではなかったが、青々とした自然がまぶしい。
牡丹園に周って園内を散策すると立派なタブの木を発見。木の下にはベンチもあって、のんびり休むことができる。
ベンチからは東京湾へとつながる海が一望できる。八景島シーパラダイスも見えた。
休日だったが人も少なく、のんびりと散策することができた。野島公園にはバーベキュー&キャンプ場もあるし、海岸で遊ぶこともできる。駅からは少し離れているが、海岸線をドライブがてら寄るにはいい場所だと思う。
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